質問同じ病気の患者さんと会う事に抵抗があります・・
回答

実は13歳で脱毛症になってから30歳までの私は、
脱毛症の患者さんと会う事に抵抗がありました。
「きっと悲しみのどん底にいる人たちでしょ?」
「きっと暗ーい顔をしていているんでしょ?」
「きっと会ってもいい気持ちになんてなれる訳がない」
「きっと会っても何も変わらない」
私、酷いですよね。でも、私があげたこの言葉たちは実は私自身の事。
私が心の奥底で悲しみのどん底にいて、私が一人の時に暗ーい顔をしていて、
私がマイナスのエネルギーを発していて、私に変わるだけの勇気がないという事。
それを自分では気づかずに他人に向けていたんですよね。
本当に私ったら、病んでいた気がします。
でも、実際に脱毛症の患者さんに会ってみると意外といい感じでした。
もちろん同じ脱毛症だからといってすべての人と仲良くなれる訳ではありません。
海外に住んでいる日本人が皆仲良くなれるかというと
そうではないのと同じですよね。
それぞれの考え方や感じ方があるのでそれが当たり前だと思うんです。
ただ、同じ病気の患者さんとの面会で皆さんが驚くのは
特に脱毛症の事を話していなくても、治療の話をしていなくても、
ただ単に普通の会話をしているだけでも、
髪の毛の事を気にしなくても良い時間というのは
本当にリラックスのできる時間なんです。
SilkyLife22でもお食事会を行っていますが、
その時の皆さんの笑顔は本当に素敵です。
素の、本当に素の表情で笑っているんですよね。
同じ患者さんと会うという事は大きな勇気が必要であり
大きなチャレンジだとは思いますが
会ってみるというのも大きな一歩になると私は信じています。

質問同じ病気の患者さんと実際に会う事のメリットとデメリットをおしえてください。
回答

同じ病気の患者さんと話をするという事はカウンセリング効果があります。
アメリカではピアカウンセリングというのですが、
同じ様な経験をしている人と話をする事で自分の心をさらけ出す事もできますし、
自分では気がついていなかった気持ちに気がつく事もあります。
治療を考えてらっしゃる方でしたら情報交換もできますし、
カツラやアートメイクなどの情報も交換できます。
これは実際にアートメイクをされた方、カツラを使用された方の感想を聞けるので
前に進むきっかけになりますし、参考になりますよね。
しかし、もしもまだ辛くて仕方がない人たちばかりが集まってしまった場合、
前向きになるどころかみんなで後ろ向きになってしまい
「どうせ私たちなんて・・・」という事になってしまう場合もあります。
どのようなタイミングでどのような集まりに参加をするか、
それはとても大切な事のように思いますが、
そこで怖がって何もしないのではなく一歩踏み出す事の方が
私は大切な事のように思います。

質問それってカツラなの?と聞かれたら、どうしたらいいですか?
回答

まず、「カツラなの?」ストレートに聞く人には二種類の方がいらっしゃいます。
興味本位で質問をされる方と、何かできる事があればと親身になってくださる方。
私自身の経験と、多くの患者さんとお話をして感じている事は
ただの興味ではなく気持ちを込めてくださっている方はストレートに
「カツラなの?」とは聞いてきません。
それよりもまずは信頼関係をきちんと作り上げその上で
「何か困った事や力になれる事があったらいつでも言ってね」というように、
私たち患者側のタイミングで告白できる環境をまずは整えてくださいます。
時々、なんで興味本位でそんな事を聞くの?という人がいますが、
こういう人ほど厄介です。
その時にごまかしたとしても常に自分の興味が優先なので
様々な方法で髪の毛の話をしたりします。
「髪の毛切った?」
「美容室どこに行っているの?」
「髪の毛伸びないけどなんで?伸びるの遅いの?」
「いつも同じ髪型ね」
「どうしていつも帽子をかぶっているの?」
などなど・・・
もちろん髪型や髪色がとてもすてきだと感じてくれて
自分も同じところに行きたいと思っての質問の場合もあります。
その場合は
「髪の毛切ってないけどいつもと雰囲気違う?」
「巻いたから短く見えるのかしら?」
「美容室は母の友人からの紹介なのよ」
「帽子がとにかく好きなのよね」
など、普通の会話で収まるのですがそうでないのが興味本位の方達。
その場合は・・・
まずその方と本当に友人でいたいかを考えるのも良いでしょうし、
幼稚園など、子供がらみのお付き合いだった場合には
ご挨拶だけはしっかりとして距離を置くのも良いと思います。
その場を乗り切るのは大変だと思いますが
「髪の毛切ったの?」→「似合う?」
「いつも同じ髪型ね」→「変化に弱いのよね笑」
「美容室はどこに行っているの?」→「ど忘れしちゃった。吉祥寺なんだけど(などの駅名)」
「髪の毛伸びないの?」→「のびるの遅いのかもね」
など、嘘のない言葉で乗り切るのが良いと思います。
脱毛症の患者さんはカツラをかぶっている時点で
後ろめたさを感じている患者さんがほとんどです。
誰にも迷惑をかけていないのに嘘をついている気分。
本当はそんな思いをする必要もないのに皆さん繊細で心が優しいんですよね。
だからこそ、嘘をつかずに乗り切る言葉を探すのが良いと思います。
言うのにはもちろん勇気がいります。
でも、嘘はついていませんし、誰にも迷惑をかけていないんです。
もしも言葉が見当たらなかったらご相談くださいね。

質問カミングアウトをするという事について、どのような考えをお持ちですか?
回答

カミングアウトをしないと嘘をついている気分になるのに、
どうしても自分に髪の毛がなくてカツラをかぶっているという事実を
打ち明けられなくてもやもやしている方、沢山いらっしゃると思います。
お付き合いをしたい異性が現れた時にも、
脱毛症である事や自分がカツラである事を隠している事が後ろめたく
罪悪感を感じられている方もいらっしゃると思います。
でも、脱毛症である事はそんなに悪い事なのでしょうか?
カツラを使用している事はそんなに罪な事なのでしょうか?
本来、人と人が惹かれ合うのに理由はないはずだと思います。
あの人の笑顔が好きとか優しさが好きとか、それは上辺だけの事であって
本当に人が人に惹かれ合うときって理由がないように思います。
その代わりに、人が人を嫌いになるときって理由が沢山あるんですよね(笑)
私は思います。
脱毛症である事はお付き合いをする前に言わなくても良い事だと。
脱毛症である事は私たちの意思で伝えるかどうかを決めるべきだと。
脱毛症である事を言いたくない時期に無理に言おうとしなくていい事だと。
私たち脱毛症患者にとって脱毛症を打ち明けるという事は
信頼し、心を開いている人に対する行為です。
脱毛症は感染症ではありませんし、迷惑をかける様な病気でもありません。
だとしたら、どうして相手の心がわからない時に、
相手を心から信頼していない時に打ち明ける必要があるのでしょう?
脱毛症は身体的特徴の一つです。
痩せているとかふくよかであるとか、背が高いとか低いとか
それと同じように髪の毛があるのかそれとも無いのか。
私が過去にお付き合いをさせていただいた男性の中には
脱毛症を打ち明けた男性と打ち明けなかった男性がいます。
それは、脱毛症が私にとってとても個人的な事であるため
もう一歩近しい関係になりたいと思う人にしか言いたいと思わなかったからです。
(今ではお仕事何をしているの?と言う質問の流れですぐに打ち明けてしまいますが)
でも、私が脱毛症だという事実を聞いて、私から離れていく男性はいませんでした。
もちろん、私も学生時代には嫌な思いを山ほどしました。
「かつら、かつら!」と大きな声で言われたり
「どうしてまつげが無いの」とバカにされたり
全校生徒の集まる講堂でカツラをとられた事だってあります。
日本に帰国をしてからはこの人だったら信じられると思い
勇気を振り絞って打ち明けた脱毛症という事実に
全然気にしないからとその場では言い、去っていったクラスメイトもいました。
信じた人からのそのような行為で、私は何度人を信じられなくなった事でしょう。
何度、枕を濡らしながら声を殺して泣いた事でしょう。
でも、これらの結果は脱毛症だから起こった事ではないと私は思っています。
私自身がとても未熟で、私自身が自分に自信が無く
私自身が人を心から信頼していなかった結果がそれだったのだと思います。
と同時に、脱毛症だと聞いてその場を去る様な人もとても、とても未熟なんです。
未熟だからこそ人を傷つけてもその事実にさえも気がつかないのでしょう。
私たちは皆完璧ではありませんし、成長過程では間違いももちろん起こします。
だからこそ、カミングアウトをすると決める時は
自分が言いたいと思った人に、自分のタイミングでしてください。
相手に伝えたいと思ったとき、その時がベストなタイミングなのだと私は思います。